膀胱炎は早めに来院を!

先日、膀胱結石の摘出手術が二例続きました。

膀胱結石には、食事療法で溶ける結石と、溶けない結石があります。
今回のこの結石は、溶けないタイプの結石でしたので手術をしました。

溶けるタイプの結石でも、その大きさによっては摘出手術が必要な事もあります。

一例目は、たまたま撮ったレントゲンに結石が写り、発見されました。
排尿に問題は無く、血尿なども無かったのですが、エコーでは膀胱の肥厚が観られました。
結石が入っている膀胱は、直接見るとどの子もかなり炎症が酷く、
避妊手術などで見る膀胱とは全然違います。
無症状のこの症例でも、やはりかなり膀胱の肥厚がありました。
慢性的な膀胱炎が起きているのでしょうね。
結石は、その成分や生成速度によって様々な形と色なのですが、今回のモノは薔薇の花みたいで綺麗でした。

膀胱結石

二例目は、血尿で来院されました。
エコーでは膀胱の肥厚と、膀胱内の血の塊が多く、最初は腫瘍かと思っていました。
出血が酷かったので、まずは投薬治療で出血を抑え、エコーの再検査にて、結石が見つかりました。
やはりかなり膀胱の肥厚と炎症がありました。
こちらの結石は少しギザギザしていました。

膀胱結石

尿石症は、元々の体質が関係しますので、とても再発しやすいものです。
手術して終わりではありません。

・食事療法で結石が出来にくくする
・水分補給をしっかりして尿を薄くする
・オシッコを我慢させない
・膀胱炎の治療は早めにする

など、その後の管理が大切になります。
今年は冬の膀胱炎が少なかったのですが、春になって犬も猫もバタバタと膀胱炎が増えています。

・オシッコの匂いがいつもよりキツイ
・回数が増えた
・一回の量が少ない
・ポタポタしか出てない

このような症状に気をつけましょう。
男の子は、結石が詰まりやすいので、特に気をつけましょう。

頑張っても全然出ない、ポタポタしか出てない場合は「大至急動物病院へ!」のサインです。
時間が経つほど回復しにくくなります。
最悪、尿毒症で死亡する事もあります。
膀胱炎の診察には、尿検査がとても大事です。
取れる場合には、オシッコを持って来てくださいね。