新型コロナとペット

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、香港政府が「感染した飼い主から飼い犬にウイルスが感染した可能性がある」と発表しました。
しかし、犬には症状はなく、ウイルス量も少ないようです。

信憑性と危険性は不確定ですので、過剰反応がないことを祈る思いです。
まずは、人間が感染しないように気をつけるのが第一でしょう。

参考)日本獣医師会の見解

参考)西日本新聞「新型コロナ、ペットにうつる?専門家の見解は」

なぜこのニュースがこんなに気になるかというと・・・

15年以上前の話ですが、猫の糞便中の「トキソプラズマ」という原虫が胎児の奇形の原因になるという記事が話題になり、多くの猫が捨てられ、殺処分されました。

実は、猫がトキソプラズマを持っていない場合の方が多いのです。
もし、飼い猫がトキソプラズマを持っていたとしても、長期間飼っていて、妊娠前から妊婦さんが抗体を持っていたら、問題ない事が判明しています。

つまり、多くの猫が冤罪で家を追われ、殺処分に追いやられたのです。

ちなみに副院長は、妊娠時の血液検査に「トキソプラズマ抗体検査」も追加で行いましたが、抗体を持っていませんでした。
ずっと猫を飼っていましたし、獣医なので、下痢症状や病気の猫にも触れていました。

でも、感染はしていませんでした。

それは副院長の飼い猫がトキソプラズマを持っていないからとも考えられますが、以下のルールを守っていたからかもしれません。

●動物に触れた後は、手洗いや消毒をする。
●顔で触れたり、キス等の過度な接触をしない。
●猫は完全室内飼育で、ノミ・ダニの予防をする。
●ペットの寝床や食器、トイレの清潔を保つ。特に糞便は放置しない。

とても大事ですが、忘れがちなルールです。
しかしどんな時にも、動物飼育の基本中の基本ですので、ぜひこの機会に見直してみてください。
唾液などの飛沫をかけないように、犬や猫相手でも「咳エチケット」も必要かもしれませんね。

ペットも大事な家族です。
今後、どんな情報が出ても振り回されないように、普段から対策をしておいてくださいね。

アニス動物病院