猫の尿石症注意報

ここ数日、急に涼しくなってきましたね。
我が家でも老猫たちの為に、コタツを出しました。

こたつに入る老猫たち

愛犬のハルがかじるので、今年は掛け布団も敷物も極小です。
また感電されたらたまらないので、電源はなし。
真冬は湯たんぽを入れて凌ごうかと思っています。
(かつての感電のエピソードはこちら

さて、涼しくなったせいか、猫の「尿石症」での来院が増えています。
「尿石症」はメスもなるのですが、重症化するのは圧倒的にオスが多いのがこの病気の特徴です。

飼い主さんが気が付く主な症状としては以下があげられますので、気になる症状がある場合には早めにご相談ください。

・何回もオシッコに行く
・一回の尿量が少ない
・排尿姿勢なのに尿が出ない
・トイレからなかなか出てこない
・トイレで唸ったり叫んだりしている
・トイレ以外の場所でもオシッコをする
・おちんちんを気にして何回もしつこく舐めている
・おちんちんの色が悪い(紫色~暗赤色など)
・何となく元気食欲がない


ところで、尿石と言うと目に見える程度の大きな物を想像しますが、猫の尿石症のほとんどがサラサラの砂状です。

軽度の場合は、光にかざしてよーく見ると、通常の尿よりキラキラ光る程度です。
重度だと、尿に血が混じっていたり、猫砂以外の場所でした尿の中に小さな砂山(米粒くらい)があったりします。
もっと重度だと、尿道(膀胱からおちんちんの先までの間)で詰まってしまって尿が全く出なくなったり(尿閉)、ポタポタとしか出ない状態(淋滴)になったりもします。

涼しくなると喉が乾きにくいので、猫も水を飲む量が減ります。
すると体内の水分が出ていくのを節約するために、尿は濃くなります。
濃くなると、尿石も多くなりやすい上に、尿道で詰まりやすくなります。
オシッコする度に不快だから、更に水をのみたくなくなります。
なるべく薄い尿で尿石を押し流してもらいたいのに、この時期は悪循環がぐるぐる回ってしまいがちです。

この時期は、何とか猫たちに水を飲んでもらいたい!

水飲みを磁器に変えたり、
蛇口から飲んでもらったり、
フードをふやかしたり、
遊びに誘って興奮させて喉を乾かしてみたり・・・

尿石症持ちの子の飼い主さんは、この時期必死です。

我が家の愛猫ショコタンも軽度の尿石症なので、この時期はフードに水を少し混ぜてあげています。
むかし飼っていた猫はかなり重度の尿石症で、尿石症のフードを食べていても、寒くなると症状が時折悪化していたので、よく膀胱洗浄や皮下点滴をしていました。
今となっては懐かしい思い出です。

現在、尿石症は腎臓のトラブルが根底にあるとも言われています。
尿石症用のフードもどんどん改良されています。
腎臓の血流を良くするお薬や、尿石症用のフードで悪化を防ぐ事ができるようになり、私の主観ですが、むかしほど何回も膀胱洗浄になる子は少なくなったように思います。

それでもやはり、尿石症により尿閉になり、何日も入院したり通院したりしないといけない子は毎年います。

体調を崩しやすい時期でもありますので、早めの受診をおすすめします。